日本釀造協會雜誌
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蛋白原料, 酵素剤を利用する酒類調味料の製造 (その3)
坂本 征仁小島 与次飯田 茂次藤田 重男白土 志郎久保 秀雄
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58 巻 (1963) 7 号 p. 641-644

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抄録

1. MPの消化醸酵試験ではプロナーゼを主体とし, 第26表 調味料, 滋養剤の収量備考・原料 MP 4000g, 水飴20kg, 酵素剤40 g・滋養剤 [MP未消化残渣 800g沈澱清酒酵母 975g]・特色: 糖含有醸酵物 微生物: 混合培養濾液, 残渣併行利用補助的にコクラーゼを使用したが, この方法が必ずしもいいというのではなく酵素剤の選び方は自由である。又, 微生物の培養の方法は注意すべきで, 例えば乳酸菌を沢山ふやしても必ず良好な結果を得るとは限らない。自らバランスがある。乳酸菌を注意しつつ程よく発育させて乳酸菌による代謝生産物を導入することが狙いである。
2. 仕込みの時メタカリ使用は防腐効果をもたらし, かつ, 酸化還元電位を低下させるのに効果がある。
3. 糖の添加量は本報では多過ぎた嫌あり, 出来れば最低の使用量で最高の効果をあげることが望ましい訳で, 消化醸酵を行った後の醸酵液には僅かの糖分を含有させ, 含糖調味料としての特色を発揮させることも本法の意義の一つであるから, この点考慮すべきである。但し, グリセリンの如き他の炭素源を使用した時はこの限りでない。
4. アミノ酸0.575%を示し, かなり呈味の強い消化醸酵液を得たが, 前記した如く糖は直糖として0.820%全糖2.415%に達して多過ぎた。
5. 消化醸酵液には特有の色素をもっているので, この脱色も問題となる。カーボン, A-2, ETC等は脱色率が高い。多くの脱色剤を使用すれば附随的の脱酸, 脱アミノ酸が行なわれるから利用目的により脱色剤の選択と方法を適宜変えねばならぬ。
6. 消化醸酵液はIR-120, IR-4B, IRC-50等のイオン交換樹脂を使用することにより, 糖, 酸, アミノ酸各区分に分割出来るし, 又更に酸性, 中性, 塩基性アミノ酸, アミンに分離出来る。
7. 消化醸酵液の粉末化にはスプレー乾燥を行ったが, 120~150℃ でスプレーするのがよいと思う。尤も, 短時間に効率よく乾燥するには200℃ でもよろしい。但し, この際は色, 香に変調を来たさぬ様注意しなければならぬ。
8. 本報の結果では蛋白溶出率61.8%を示した。消化醸酵液は65l, その乾燥物は2704g, 又残渣1775gとなり, 前者はアルコール飲料とその調味料用として, 又, 一般食品の調味料, 滋養剤として提供することが出来る。

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