日本釀造協會雜誌
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ブドウ酒のマロラクチック発酵に関する研究 (第3報)
リンゴ酸分解細菌の分離および果醪への試用
野々村 英夫小原 巖加々美 久風間 敬一
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59 巻 (1964) 6 号 p. 513-516

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抄録

ブドウ酒発酵中の果膠および新酒の津からリンゴ酸分解能のある細菌 (ML菌) を分離分群し, 代表菌株を果膠に接種しマロラクチック発酵 (MLF) の難易を比較した。
1) ROGOSAトマト汁肝エキス培地にアクチジオン (20PPm), ユーロシジン (20PPm), ソルビン酸 (500PPm) を加えた培地で稀釈平板法により生育した細菌を分離し, そのうちのML菌の割合を調べた結果は酒精発酵の開始後の細菌数減少期以後にML菌の割合は高くなり発酵後には最も高くなった。またブラッククィーンの果膠は甲州種果膠より細菌数もML菌割合も多く, 赤ブドウ酒 (4品種12試料) の沸は白ブドウ酒 (3品種12試料) の津よりML菌が高い割合で分離された。
2) 分離した324株のML菌のうち代表的なもの45株の菌学的性質を試験した結果はLactobacillus属に4群 (9株), Leuconostoc属に6群 (36株) が区別された。
3) 分群した45株のML菌のうち代表的なもの9株についてそれぞれブラッククィーン, メルロー, 甲州種の果膠 (約20l単位, SO250PPm, 糖分23~25%, 酒母2%含む) に生菌体約106/ml接種しMLFの誘起を比較した結果はLeuoonostoc属のH-202 (citrovorum系統) とLatobacillus属のC-83 (ヘテロ型, brevis系統) がいずれの果酵にもMLFを起したが特に前者は主発酵中に確実にMLFを完結させ最も実用性のあるものと考えられた。
4) H-202またはC-83でMLFをした生成酒は対照酒より減酸, pHの上昇が認められ香味も良好であった。

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