日本釀造協會雜誌
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酒造場酵母について (第5報)
酒造期直前の酒造場床土酵母の検索
菅間 誠之助津川 光昭山村 紘司籾谷 亘慶野白 喜久雄
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1966 年 61 巻 1 号 p. 71-74

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抄録

酒造期直前の2酒造場の仕込蔵, ふな場及びビン詰場の床土より165株の酵母を分離し, 同定を行なった。
有胞子酵母として, Endomyoopsis 5株, Hansenula 93株, Pickia 32株, Debaryomyces 1株: 無胞子酵母として, Caudida 20株, Torulopsis 2株, Rhodotorula 9株, Triokosporou 3株がえられた。酒造期直前の仕込蔵床土の酵母相は酒造庫外庭土のそれとほぼ同じであるが, 清酒で汚されているビン詰場に於てはHansenulaが95%以上をしめている。
TTCにたいしHansenula, Endomycopsis, Candida, Torulopsisの多くの菌株がred又はpinkに染色する。このことは麹土壌その他雑酵母の混在する試料よりの野生清酒酵母の検出には, TTC法を直接適用しがたいことを示すものである。

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