日本釀造協會雜誌
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豆みそ醸造における乳酸菌添加工場試験 (第2報)
仕込後の経過について
好井 久雄細川 信男森本 教円鈴木 政義
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1966 年 61 巻 3 号 p. 267-272

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抄録

前報で製麹の際乳酸菌添加を行なった3工場, および別に仕込時にPed.halophilus生菌添加を行なった5工場について, 豆みそ醸造中の乳酸菌群の消長, 成分変化を調べ, さらに官能審査による品質鑑評を行なった。
1.豆みそ醸造における一般的傾向として醸造経過につれてStreptococous, Ped.halophilusともに漸減傾向を示し, 菌数レベルは仕込時の構成が醸造初期ないし中期まで影響し, 添加区の乳酸菌数 (とくにPed.halophilus数) は対照をやや上廻る。しかしながら, 米みそなどにみられるPed. halophllusの醸造中の増殖のピークは豆みそにおいては明瞭ではなく, 一部のケースにおいて微弱なピークがみとめられるにすぎない。この理由は原料特異性などにも基因しようが, 仕込時のみそのpHがすでにかなり低位 (5.5以下) にあり, 酸性pHに弱い本菌の増殖の余地が少ないことが大きな原因と思われる。2.仕込後のPed.halophilusの増殖, 活動と対応づけられる成分変化としてpH下降度, 滴定酸度1の増加, 乳酸量が添加区において若干対照区を上廻る傾向にあるが, その差は僅かであり, むしろ工場操作の微妙な違いにもとずく変動が大きい。3.官能審査では添加区が塩なれが速く, 色調の淡色化をもたらすことがみとめられたが, 豆みそ品質についての綜合評価は試験工場によってまちまちであり, 添加効果についてはっきりと断定を下すことができなかった。4.豆みそ工場すべてについて本試験の傾向があてはまるとはいいきれないが, 前報, 本報の結果を綜合して豆みそにおいては原生菌のいちじるしい増殖があるために一般的には乳酸菌添加効果を出しにくいが, 反面みそ玉麹の特長を生かし製麹時にPed.halophilus増大を計るという手段も利用できると思われる。

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