1971 年 66 巻 12 号 p. 1179-1181
清酒の連続醸造における各槽の発酵速度 (K), アルコール生成のために消費される糖濃度 (fC0) を図式解法によってもとめた。平均滞留時間θ=4dayでは直列4槽式が適当であり, またこの条件で, 定常状態における各槽のK, fC0の図式解法による解は実際の連続醸造の場合と大約一致した。したがって, 清酒醸造のような並行複発酵でかつ制限基質に相当するものがないような系の連続醸造の解析に図式解法が適用されることが知られた。なお, 醪中の糖濃度の変化はアルコール発酵により影響されない。