戦後は人口の都市集中化とトラックによる小口輸送の発達とによって, 味噌の市場は大きく変ったといわれる。そして, 現在は造った味噌が文句なしに売れていくという時代ではなくなり, いまはどの市場にどんな種類の味噌をどの位の数量で売るかを計画しなければならぬ時代になったといわれている。そこには当然生産者と流通機構とのかかわり合いが, 従来にみられなかった重要性をもって注目されている。それは企業近代化の重視すべき誌断面でもある。
味噌企業近代化の推進事業にも関与された著者により, 味噌の流通問題をまずは簡潔明快に解説していただいた。なお, 味噌流通機構内部の解明については次稿を期待したい。