1971 年 66 巻 3 号 p. 251-256
1.供試した清酒酵母とTTC重層法による呈色は次の様であった。
赤色: 協会7号, 9号, IM, GK
桃色: SY, KY, MS
淡桃色: MS
2.各酵母を麹汁に培養しまた清酒の仕込みを行って生成された香気成分中特に低沸点揮発性成分について先の第1報同様ガスクロマトグラフィーで試験した。
3.各酵母間に生成された香気成分の種類には大差なかった。一般に培養酵母は高級アルコールの生成が強くイソブチルアルコールとアミルアルコールの比率も小さかった。またこれら培養酵母では香気の生成は安定的であり優秀であった。
4.SY酵母はアミルアルコールを多量に生成する特異性を有し, そのためA/B値はかなり低かった (第11表および図参照)。この種はスコッチタイプウイスキーの製造に応用すれば面白いものと思われる。