日本釀造協會雜誌
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貯蔵中における清酒蛋白混濁物質の変化
布川 弥太郎山岸 節夫
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1974 年 69 巻 10 号 p. 693-696

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抄録

1.4種類の清酒につき, 火入れ後貯蔵期間中のタービディテー, 蛋白混濁物質の平均粒経の変化をしらべた結果, 平均粒経は時間と共に直線的に増加するが, タービディテーははじめのうち増加するが, 途中その増加がとまるか減少することを見た。
2.柿渋だけの添加でオリは下るが, その沈停に要する柿渋添加最少量は, 清酒によりまた貯蔵時期によって異なり, 清酒が熟成するに従って添加量は少くなり一定の値に落着くことを見た。
3.以上タービデイテーが極大に達する点, 柿渋添加量が最少値になる点は, 平均粒径が100~150mμ に成長した点と一致するようであった。
4.数種の清酒について新オリ下げ剤を適用し, その効果の有無と蛋白混濁物質の平均粒径との関係をしらべたところ平均粒径が140mμ以上のものに効果があるという結果を得た。

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