日本釀造協會雜誌
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清酒の味覚に関する研究 (第6報)
雑味成分について (その3) Tetrahydroharman-3-carboxylic acid
佐藤 信蓼沼 誠高橋 康次郎中村 訓男
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1975 年 70 巻 11 号 p. 821-824

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抄録

活性炭吸着物中の苦味物質として, 新たにtetrahydroharman-3-carboxylicacid (THCA) を同定した。THCAはトリプトファンとアセトアルデヒドの縮合により得られ, 清酒の熟成や日光魚射によって増加すると既に報告されているハルマンの生成の中間体と考えられる。
活性炭吸着物のうち, 水に難溶性の沈澱物を調べた結果, ヒポキサゾチン, グアニン, アデニン, チロシン, トリプトファン及びフェニルアラニンが検出された。また, 得られた沈澱物の味についても若干考察を加えた。

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