蒸米冷却機の改良を目的として蒸米の冷却機構を解析し, 以下の知見をえた。
(1) 蒸米を湿球と仮定し, 空気流中で米粗外側に生ずる空気境膜を通しての水蒸気および顕熱移動が冷却を律速するというモデルによって実測した蒸米冷却曲線をほぼ説明することができた。
(2) 蒸米を通風乾燥した場合の恒率乾燥期間のデータから蒸米堆積層の水蒸気移動容量係数kHaの値を通風速度を変えて求めた。
(3) 空気節約の目的に理想化した方法として向流式竪型蒸米冷却機を想定し, 空気所要量などの装置特性を計算した。こうしてえられた理論的最小空気消費量は現行の蒸米放冷機の空気消費量にくらべて1'5ないしそれよりはるかに小さい値を示した。また蒸米を空気温度近くまで冷却することが蒸米冷却工程を合理化する上のネックとなっていることが明らかとなった。