71 巻 (1976) 4 号 p. 273-276
前報でカザミノ酸及びトリプトンの影響について検討したが, 本報ではグルコース, Tween80, レアスコルビン酸の影響について報告する。
1) エタノール17%においてグルコース濃度は1~2%が最適で3~4%以上になると増殖量が低下する。
2) ヘテ鐸発酵型の火落性乳酸菌はニタノール濃度に関係なくTween80を必要としないが, ホモ発酵型の火落性乳酸菌はエタノール0%, 7%で初期にTween 80を要求するが, 培養中期では必要としない。しかしエタノール17%では長期培養でも必須に要求する。真性火落菌は百瀬らの報告にあるように, エタノール無添加ではTween 80を必須に要求するが, エタノールが存在すると必要としなくなる。ヘテコ発酵型真性火落菌はTween 80 0.2~0.3ml/l以上の濃度では僅かではあるが阻害作用がみられる。酵母エキスにはTweeu 80様の物質を含むものと含まないものがある。
3) L-アスコルピン酸は1~5ppmの少量で生育促進効果を示す場合があるが, 20ppm以上になると阻害がみられ, 特にエタノール17%においては顕著で田村培地4) で用いられている100ppmの濃度では全く増殖しない菌株がある。
ヘテロ発酵型真性火落菌はエタノール17%でL-アスコルビン酸を強く要求し, その要求量は1~2ppmである。この場合, L-アスコルピン酸は酸化還元電位の低下のための還元剤としてではなくビタミンCとしての効果であると推察した。