日本釀造協會雜誌
Online ISSN : 2186-4004
Print ISSN : 0369-416X
ISSN-L : 0369-416X
高アルコール濃度における火落菌培地の検討 (第4報)
酢酸ソーダの影響
竹田 正久中里 厚実塚原 寅次
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 71 巻 7 号 p. 549-552

詳細
抄録

エタノール7%及び17%の田村培地で酢酸ソーダの影響を検討した。
1) エタノール7%で酢酸ソーダをホモ発酵型の菌は促進的にヘテロ発酵型の菌は強く要求し特に真性火落菌のNo.59は必須に要求するが酵母エキスには酢酸ソーダの代替効果がある。
2) 酵母エキス存在, エタノール17%ではヘテロ発酵型の真性火落菌No.59は酢酸ソーダを必須に要求する, 即ち高エタノール濃度になると酵母エキスは酢酸ソーダの代替効果を示さなくなる。ホモ発酵型の菌はエタノール17%では酢酸ソーダをほとんど必要としない。
3) 酢酸ソーダ0.7~1.0%の濃度では阻害があり高エタノール濃度ではホモ発酵型の菌では0.2%, ヘテロ発酵型の菌では0.4~0.5%が適当である。
4) 清酒に酢酸ソーダを添加するとヘテロ発酵型真性火落菌には促進効果があるがホモ発酵型真性火落菌には0.1%で阻害する。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top