日本釀造協會雜誌
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醤油・味噌の本業拡大化と経営の多角化
和田 寛次郎
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1977 年 72 巻 6 号 p. 401-404

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抄録

わが国の経済は, 諸外国に比して変化が激しいことは周知の事実である。その意味するところは, 日々の経済活動を支えている基盤, または基礎与件がその変化の幅においても瀕度においても大きいということである。その適例は, いわゆるニクソン・ショック, 石油ショックにみられる。本論文では経済環境の変化として高度成長から低成長への転換, これに反応する企業経営側からは, 量から質への転換志向が強調されている。いずれも日本経済の基盤変化に対する随伴現象にほかならない。
本論文では二つの問題が取扱われている。第一は, わが国経済の低成長化に直面して, たまたま幸いした経営の多角化, 即ち本業である醤油・味噌に対する燃料 (ガソリン, 灯油, L-Pガスなど) の兼営としての多角化であり, 第二は, 低成長経済にありながら, しかも本業を拡大するための品質の向上を通じての拡大化である。いずれも単なるビジョンや慧図の段階にとどまることなく, 実践によって裏付けられている。

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