日本釀造協會雜誌
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酒米適性についての研究 (第9報)
昭和47~50年産米の性質の年度による違いについて
花本 秀生竹村 成三
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1977 年 72 巻 9 号 p. 671-675

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抄録

1. 4年間で同一品種の性質の変動を調べたが変動の少ない品種 (五百万石, フクノハナ, 八反など) と変動の大きい品種 (兵系酒28号, 中生新千本, 金南風など) とがあった。
2. 品種, 産地の違いによる各性質 (各分析値) のバラッキは生産年度が変っても大きくは変らないものと推定された。
3. 昭和50年産米は他3年に比べ玄米千粒重が小さく, 吸水も遅い傾向がみられた。特に登熟期が異常高温, 多照にみまわれた中生新千本, 金南風などの中~ 晩生種にその傾向が強かった。
4. 各分析項目について生産年度間の相関関係を調べるとほとんどの項目に相関関係が認められた。しかし50年産米は多少異なった結果を示した。
5. 諸性質間の相関関係は生産年度が変ってもほぼ同じように認められたが, 回帰係数はいくぶん異なった値を示した。
6. 分析結果により判断した米の性質は現場での実感とかなり一致したので使用前の分析により処理条件などを決めるのにかなり役立つものと思われた。

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