日本釀造協會雜誌
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長期貯蔵清酒の成分変化について
佐藤 信大場 俊輝高橋 康次郎高木 光良難波 康之祐小泉 武夫鈴木 明治
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1978 年 73 巻 8 号 p. 643-647

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抄録

長期貯蔵清酒の一般成分ならびに熟成に関与する成分の分析を行ない, 次の結果を得た。
1) 熟成に関与する成分の貯蔵年数による変化のパターンはこれまでに報告した結果とほぼ同様であった。
2) DFCYが貯蔵年数11年以上の試料には全く検出されなかった。
3) 貯蔵につれてiso-AmOHが増加し, iso-AmOAcが減少した。
4) 96年長期貯蔵清酒は, 通常の清酒に比べて, アミノ酸, 有機酸組成が大きく異なり, 長期貯蔵により成分が変化したものと推定された。また, Feが極めて多く, Cuが少なかった。さらに, アセトンが多量に検出された。筆者らが設定した清酒の甘辛と濃淡の等高線図上に96年長期貯蔵清酒をプロットしたところ, 濃醇辛口の清酒であった。

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