日本釀造協會雜誌
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清酒もろみ中の清酒酵母群について (第6報)
清酒酵母及びワイン酵母のmicrfloraの形成の要因について
中田 久保金子 清後藤 英之壱岐 正彦坂井 劭
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1980 年 75 巻 11 号 p. 915-920

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抄録

1. カゼイン添加合成培地のKC1を0.14g/lとし, pHを乳酸にて3.1に調整後, 実験室より離れた場所に開放放置したところ, 合成培地はTTC Red系の泡なし酵母が混在するが全て清酒酵母群により占められた。
2. カゼイン添加合成培地のKC1を0.954g/lとし, pHをリンゴ酸にて3.1に調整後, 同様実験を行なったところ, 合成培地はワイン酵母群により占められた。
3. 汲水歩合を110%とし, 初発pHを乳酸にて3.1に調整した酵素剤による酵母無添加の酒母を仕込んだところ, 酒母はTTC Pi登k系の清酒酵母群により占められたが, 汲水を2,000%と超希薄としたところTTC Red系の泡なし清酒酵母群が多数存在した。
4. 汲水歩合を110%とし, 汲水にKClを1.09/l加工して初発pHをリンゴ酸にて3.1に調整した酵素剤による酵母無添加の酒母を仕込んだところ, TTC Red系の清酒酵母群により占められたが, 汲水歩合を2,000%としたところワイン酵母群により占められた。

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