日本釀造協會雜誌
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高酸味濁り酒の製造
佐藤 信大場 俊輝吉田 隆一
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1982 年 77 巻 8 号 p. 557-561

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抄録

Rhigopus javanicusIFO5442を無蒸煮の生米に培養したリゾープス麹を用い, 爽やかな酸味があり, 香りが軽く, 発泡性を有する新しいタイプの濁り酒を製造することを検討した。
1.もろみ温度220, 発酵期間8日間, 汲水160%, 麹歩合30%, 二段仕込で仕込んだもろみを荒ろ過することにより高酸味濁り酒を製造した。濁り酒の成分は, 日本酒度一14.5, アルコール分12.6, 直糖3.4%, 酸度4.4, アミノ酸度1.6であった。
2.低アルコール分の濁り酒を目的とする割水方法は, 水よりも炭酸水で行う方が香味が優れていた。
3.ガス付する方法は, 酵母の後発酵によるより炭酸水で行う方が酒質が良好であった。
4, ガス圧は, 2kg/cm2・20°以上になると開栓時噴くので, 1~2kg/cm2・20°以下とする必要があった。
5.びん火入れは, 60~65°, 20分間行えば, 酵母は死滅し, 酵素も失活し, 25° で1ケ月貯蔵しても香味の劣化は認められなかった。

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