日本釀造協會雜誌
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活性汚泥中の酵母溶解菌の分離とその性質
酵母溶解菌に関する研究 (第1報)
蓮尾 徹夫山本 奈美斎藤 和夫蓼沼 誠
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1984 年 79 巻 7 号 p. 510-516

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抄録

酵母処理槽に連結した活性汚泥から酵母生菌体を良く溶解する酵母溶解菌 (YLM-1) を分離した。
本菌はグラム陰性の桿菌で通常の栄養寒天培地では認ロニーを形成せず, その良好な増殖には酵母生菌体と活性汚泥抽出液を必要とした。YLM-1は酵母と接着・凝集してフロックを形成した後酵母を溶菌した。 YLM-1により溶菌を受ける酵母は, その細胞壁構成多糖類としてマンナソとβ-1, 3-グルカンを有する酵母が多く, α-グルカンやキシロースを細胞壁に有する酵母は溶菌されなかった。
YLM-1の培養液中にはそのままの濃度では溶菌活性が認められず, YLM-1と酵母の接着が酵母の溶菌に必要と考えられる.
終りに, 本研究全般にわたり, 御指導いただいた東京大学農学部田村学造教授, 細菌の分類に関して御教示いただいた東京大学応用微生物研究所駒形和男教授, 数々の御助言をいただいた東京大学農学部山崎真狩助教授, 終始御鞭撻いただいた当所佐藤信所長, 酵母処理に関して御指導いただいた当所吉沢淑室長に深謝いたします。
本研究の一部は環境庁国立公害防止等試験研究費によって行われた。

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