日本釀造協會雜誌
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低食塩味噌醸造における酢酸ナトリウムの酸敗防止作用
低食塩化食品における腐敗微生物の抑制 (第4報)
山本 泰東 和男好井 久雄
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1985 年 80 巻 6 号 p. 407-410

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抄録

酢酸ナトリウムを使用した低食塩味噌の醸造について検討した。味噌の仕込配合は7分麹, 水分は50%を目標とし, 食塩12%を対照区, 8, 5, 2%を試験区とした。試験区には無水酢酸ナトリウム0, 0.5, 1.0, 1.5, 2.0%を添加し, 塩酸でpH5。6~5.2の範囲に調整して仕込み, 300Cで30日間熟成させた。味噌の食塩濃度と必要な酢酸ナトリウム添加量の関係は, 食塩8%味噌では0.5~1.0%, 食塩5%味噌ではおよそ1.0%でほぼ正常な発酵が行われ, 低食塩味噌の製造が可能であることを認めたが, これより添加量が少なくなると異常発酵を来たし, 多くなると酸やアルコールの生成が阻止された。食塩2%では酢酸ナトリウムの添加によって酸敗など異常発酵を阻止することは不可能であった。

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