日本釀造協會雜誌
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化学成分によるワインの類別
ワインにおける化学成分の意義 (第2報)
清水 理通青柳 尚徳柴崎 茂郎井上 浩大塚 謙一
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1986 年 81 巻 2 号 p. 113-120

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抄録

1. 市販国産白ワイン46点およびフランス産白ワイン24点の計70点と国産赤ワイン33点およびフランス産赤ワイン23点の計56点のワインを25の項目について分析し, その結果について主成分分析を行った。
2. 白ワインでは抽出した8つの主成分の累積寄与率は81.7%であった。赤ワインでは6つの主成分が抽出され累積寄与率は80.4%であった。
3. 第1主成分 (果汁成分とMLF) と(第4主成分フェノール成分) で国産白ワインとフランスボルドー産白ワインのグループとブルゴーニュ産白ワインが, また第7主成分 (グリセリン) と第8主成分 (残糖) でフランス産白ワインと国産白ワインが類別された。
4. 赤ワインでは第2主成分 (ブドウ品種, 高級アルコール) と第3主成分 (ワインの色) で国産ワイン, ボルドー産ワインおよびブルゴーニュ産ワインが類別された.
5. ワインを化学成分により, その産地別に類別することが可能であり, それらの成分はその産地に特有の原料, 醸造法に関係するものであった。

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