日本釀造協會雜誌
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凝集性酵母の選択とその排水処理への利用
野生酵母の利用に関する研究 (第5報)
佐藤 俊一前谷 龍夫山本 奈美蓮尾 徹夫斎藤 和夫蓼沼 誠吉沢 淑
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1986 年 81 巻 9 号 p. 621-625

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抄録

清酒工場の沈殿槽から洗米排水及び清酒中の有機物の処理能の高い凝集性のH. anomala J 224株を分離した。本菌の凝集能は培養のage, 培地のpH, 培養温度に関係なく一定であるが, 高濃度 (10%) のグルコースを含む培地では低下した。
本菌を用いて洗米排水の連続処理を行った結果現在の実用株であるH. anomala J 45-1より優れた処理能力を示した。本菌を実際の酵母槽 (水深4m) で使用し, 沈降時間を2時間とり, 処理水の20%を次の種酵母として残すと仮定すると, 80%以上の酵母が回収され, その酵母を新しい排水の処理のために使用できると計算された。
なお, 当研究の一部は環境庁国立研究機関公害防止等研究費によって行われた。

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