82 巻 (1987) 12 号 p. 902-907
近年, 情報の縮約・クラスター化のために多変量解析法が利用されることが多いが, この場合コンピュータを使用するのが普通である。しかしながら, コンピュータを利用するほどデータが大量でない場合, あるいはコンピュータ利用の便宜に恵まれない場合もある.
このような場合を想定して, 簡便な手計算によって対象をクラスター化する方法を開発し, その結果を利用して相関行列の意味する全体像を直観的にわかり易く, しかもコンパクトに表現する方法を考えることを目的にして検討し, 次のような結果を得た。
1.相関行列の相関係数の大きさをカテゴリー化し, 簡便な手計算で対象をクラスター化する方法を開発し
2.この場合, 若干の変数の符号を逆転した場合の利点について考察した。
3.本法を適用した事例では, 因子分析法を適用してクラスター化した結果とよく一致した。た。
4.第3図または第6図に示したようなクラスター化した相関ダイヤモンドグラフによって, 相関行列のもつ情報を, 直観的に理解し易く, しかもコンパクトに表現することができた。
なお, 本報の適用例はまだ少ないので, その有効性が充分に検証されたとはいえない。そこで, 本法を適用した場合には, その結果の有効性や妥当性について充分に検討した上で, 本法を採用されることを望む。