日本釀造協會雜誌
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耐塩性酵母の微細構造
東 和男山本 泰好井 久雄
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1987 年 82 巻 2 号 p. 121-124

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抄録

電子顕微鏡により耐塩性酵母Zygosacch. rouxiiの微細構造を観察し, 次の結果を得た。
1) 2%過マンガン酸カリウムで24時間固定した無塩及び含塩下培養の対照酵母Sacch. sakeは完全に過固定になったが, 同固定条件では耐塩性酵母はやや過固定にとどまった。一方, 両酵母のプロトプラストは過マンガン酸カリウムより固定能の弱い2%四酸化オスミウムによって適切に固定された。上記のことは, 耐塩性酵母の細胞壁が細胞内への固定液の透過を抑制していることを示しており, 細胞壁は食塩の細胞内への透過に対する防壁となることが推定される。
2)細胞壁の厚さは,対照酵母では含塩下培養で薄くなる傾向が認められたが, 耐塩性酵母では無塩と含塩下培養の間に差異が認められなかった。
3)耐塩性酵母において無塩培養でミトコンドリアが良好に発達したほかは, 耐塩性酵母対照酵母のいずれにおいても食塩は細胞質構造に影響を及ぼさないことが観察された。

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