日本釀造協會雜誌
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焼酎白麹の各種酵素生産に及ぼす製麹条件の影響
岩野 君夫三上 重明福田 清治能勢 晶椎木 敏
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1987 年 82 巻 3 号 p. 200-204

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抄録

焼酎白麹の各種酵素生産に及ぼす製麹条件の影響について検討し次の結果を得た。
1.白麹菌は40℃においてAAase, GAase, TGaseおよびRSDの生産が大であり, 酸の生産は30℃, 35℃で大であった。APaseとACPaseの生産は製麹温度の影響が少なかった。
2.白麹菌は精米歩合が90%以上の白米で酵素生産が大であり, 精米歩合が85%以下になると急激に酵素生産が低下する。特にAAase, GAase, ACPaseおよびTGaseでこの傾向が大であった。
3.白麹菌の酵素生産に及ぼす吸水率の影響は製麹原料が破砕精米とコーン・グリッツでは少なく, 麦類では大きく, 吸水率が40-50%と高いほど酵素生産が大であり, 酸の生産も大きかった。
4.白麹菌の酵素生産は菌体量と極めて高い正の相関関係が認められた。
5.米焼酎仕込みにおける麹歩合を酵素活性の面から検討し, 白米1g当りAAaseが約20単位, GAaseが約33単位ほどが必要酵素量でないかと推論した。
最後に臨み, 本研究の遂行に当り御指導を賜わりました当試験所中村欽一所長に深謝致します。

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