日本醸造協会誌
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清酒中に存在する抗酸化性物質
太田 剛雄高下 秀春轟木 康市岩野 君夫大場 俊輝
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1992 年 87 巻 12 号 p. 922-926

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抄録

1. 清酒中の抗酸化活性を調べたところ, 清酒中には原料米中よりも強い抗酸化活性が存在した。
2. 清酒中の抗酸化活性はAmberlite XAD-2に吸着され, 50%メタノールにより溶出した。
3. 50%メタノールによって溶出される活性区分は分子量の異なるA, B, C, Dの4つのフラクションからなり, C, Dフラクションの主成分はそれぞれフェルラ酸およびチロゾールであった。
4.分子量の大きいAフラクションは0.5N NaOHまたはジアスターゼ原末による加水分解でフェルラ酸を遊離し, フェルラ酸の配糖体エステルと推察された。
本研究の一部は日本酒造組合中央会との共同研究として実施した。

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