日本醸造協会誌
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平成11年度味噌・食酢の研究業績
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2000 年 95 巻 5 号 p. 347-369

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抄録

1900年代最後の味噌の研究業績集を見ると, 科学技術の急速な進歩をみた世紀の終幕直前の年にもかかわらず, 残念ながら味噌研究の息切れを感じる。HACCP (ハセップ) など新しい社会規範への対応はともかく, 改めて味噌の機能性を検証し, これを説くことにのみ専念することなく, 先人の説く「温故知新」により, 基礎研究並びに研究開発を進め, 現存する確たる基盤の補強がなされることを願ってやまない。一部の研究成果を除き, 業績集のほとんどが解説記事や論説で満たされているのは残念だ。二十世紀は, 未だ半年余りある。研究・開発担当者の奮起を期待する。
平成11年度の食酢関係報告では, 微生物の項では, セルロース生産関連菌の研究が多く, これは世界的な傾向である。酵素関係ではアルコールデヒドロゲナーゼ作用とPQQの関係, 酸化酵素の遺伝学的な研究が中心で, 食酢の機能性に関する報告も多く見られる。実用的な研究報告が少ないのが気になる。

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