日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
多麹麦味噌の機能性-GABAを中心に
岩屋 あまね
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 97 巻 11 号 p. 760-765

詳細
抄録

γ-アミノ酪酸 (GABA) は, 動植物など自然界に広く分布するアミノ酸の一種で, 哺乳動物の脳や脊髄に存在する抑制系の神経伝達物質であり, 血圧上昇抑制・抗更年期・脳代謝亢進作用等を有することで知られ, GABA高含有機能性食品開発を目的とした研究も数多くなされている。麹菌は, グルタミン酸を脱炭酸してGABAを生成する。味噌用米麹および米味噌のGABA含量, GABA高含量米味噌製造方法の検討もなされている。今回は, 筆者に, 鹿児島県の人々に好んで食べられる, 麹歩合のきわめて高い短期間熟成の, 独特の香味を持つ麦味噌 (多麹麦味噌) の機能性について, 麦麹由来のGABAを中心に, 抗酸化活性についても, 詳細に解説していただいた。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top