日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
モルトウイスキーへの乳酸菌とビール酵母の関与
ビール余剰酵母を利用して乳酸菌がモルトウイスキーを甘くする
鰐川 彰
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 98 巻 4 号 p. 241-250

詳細
抄録

ウィスキーの製造工程全般にわたり酒質に及ぼす影響を検討したところ, 乳酸菌がモルトウィスキーの新規香気成分生成に関与することを解明した。乳酸菌は, 従来汚染菌として発酵停止やオフ・フレーバー生成の原因となることは知られていた。一方, 新しく他の微生物と協調してファッティな甘い香気成分を生成し, 同定の結果γ-decalactoneとγ-dodecalactoneと判明した。その生成経路につき, また伝統的に使用しているビール余剰酵母の酒質に及ぼす影響をも検討した。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top