日本醸造協会誌
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平成15年度味噌・食酢の研究業績
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2004 年 99 巻 5 号 p. 324-349

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抄録

平成15年度の味噌に関する研究業績を見るに, 特に, 味噌研究に関する懐旧談やまとめの報告が多く, 研究の進捗は残念ながら-服状態に近い。ただ, これは味噌研究の新展開への温故知新の過程と考えたい。この業績集をじっくり読めば, 新商品開発や新しい研究テーマの2, 3はすぐに提案され得るのではないかと思われる。新しい視点, 新しい技法での味噌研究のさらなる展開を期待したい。
昨年度の食酢に関する研究は多方面に亘っている。原料・原料処理では柿やソバを使用した製品, アルコール発酵後蒸留し, その後酢酸発酵し風味の少ない製品, 酢酸発酵では酵母の酢酸発酵能を直接利用する方法が考えられている。菌では分類が少なく, その代謝産物に関する研究が多く, 遺伝子関連では耐性株のそれがクローニングされ, 分析ではバルサミコ食酢の成分が明らかにされ, 食酢の血圧降下の効果が検討されている。

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