熱傷
Online ISSN : 2435-1571
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原著
熱傷瘢痕に対する圧迫装具使用の検討
風戸 孝夫寺嶋 咲絵
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2020 年 46 巻 2 号 p. 51-59

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抄録

 【目的】熱傷後の肥厚性瘢痕に対する治療法として圧迫装具が使用されている. 今回われわれは, 圧迫装具を作製し使用した熱傷瘢痕症例につきその効果を検討した.
 【方法】2013年8月から2017年10月の間に熱傷瘢痕用圧迫装具を作製・使用した熱傷患者25例28部位において, 年齢, 性別, 部位, 熱傷深達度, 手術の有無, 装具開始時期および使用期間, 同時に併用した外用療法, 使用前後の瘢痕評価, 効果, 合併症を検討した. 瘢痕の評価はVancouver Scar Scale (以下VSS) を用い, 効果は同スコア改善度を3以下 : 不良, 4~6 : 可, 7以上 : 良として判定した.
 【結果】使用部位は上肢が最も多く, 熱傷深達度は深達性Ⅱ度熱傷が最も多かった. 装具の使用開始は創閉鎖後平均11.7日で, 使用期間は最短2週間から最長3年7ヵ月, 平均約1年1ヵ月であった. VSSによる瘢痕評価では約8割で使用前より改善がみられた. 合併症は, 掻痒感, 不快感, 接触性皮膚炎, 装具の破損等がみられた.
 【考察】われわれが使用した装具は熱傷瘢痕に合わせてさまざまな形態を作製することができるため, 年齢や部位を問わず使用できるという利点があり瘢痕の改善効果が得られた. また外用剤など他の治療法と併用することで, より複合的な治療も可能となる点, 長期使用における費用も比較的安価である点も有用であった. 一方で装着不快感や掻痒感のほか, 圧迫効果の減弱や破損等の問題点がみられた. 対策として装着感や耐久性, より効果的な形態等の改善に対する検討が必要と思われた.

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© 2020 一般社団法人 日本熱傷学会
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