熱傷
Online ISSN : 2435-1571
Print ISSN : 0285-113X
総説
広範囲熱傷患者における体温,創部滲出液,疼痛の管理
寺地 沙緒里猪口 貞樹
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2021 年 47 巻 1 号 p. 1-10

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抄録

 【はじめに】重症熱傷患者の看護のなかで特に苦慮している「体温管理」「創傷管理」「疼痛管理」についてガイドライン, 文献調査をもとに現在推奨されるケアを検討した.
 【広範囲熱傷患者の体温管理】広範囲熱傷では低体温の回避が重要である. このため, ①ショック期, 周術期, ICU管理中などの各状況に応じて目標室温を設定し, 体温をモニタリングすること, ②特に周術期の低体温回避に重点を置き, 適切な室温管理, 手術時間の短縮に加えて, 温風ブランケットなどによる能動加温を併用すること, が望ましい.
  【熱傷創の管理】Ⅲ度熱傷では熱傷創切除と植皮などによる早期創閉鎖が推奨されている. 広範囲に及ぶⅢ度熱傷では, 創閉鎖にいたるまでの間, 大量の滲出液に対応しなければならないが, この点に関する報告は少なく今後の研究課題と思われる.
  【熱傷患者の鎮痛・鎮静】鎮痛・鎮静に関しては, 多くのエビデンスに基づいてさまざまなガイドラインが作成され, 現場で用いられているが, 熱傷患者に関する研究は十分ではない. 現在推奨されているのは, 以下のとおり. ①鎮痛をしていれば鎮静はなくてもよい, ②創傷処置時の疼痛管理には, オピオイド(フェンタニル®など)が第一選択. 他の鎮痛・鎮静剤 (アセトアミノフェン, Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs (NSAIDs), プロポフォール, デクスメデトミジン (プレセデックス®), ケタミンなど) との併用でオピオイド使用量を軽減できる. ③疼痛評価ツールのBehavioral Pain Scale (BPS), Critical Care Pain Observation Tool (CPOT), Numerical Rating Scale (NRS) などを用いて定期的に評価を行う, ④神経因性疼痛に対してはプレガバリン (リリカ®) などを考慮する.

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© 2021 一般社団法人 日本熱傷学会
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