熱傷
Online ISSN : 2435-1571
Print ISSN : 0285-113X
症例
MEEKTMシステムとRECELL®の併用による上肢Ⅲ度熱傷の治療経験
吉武 彰子大島 純弥井上 貴昭渋谷 陽一郎佐々木 薫関堂 充
著者情報
キーワード: MEEK, RECELL, Ⅲ度熱傷
ジャーナル フリー

2023 年 49 巻 2 号 p. 88-93

詳細
抄録

 2022年9月1日に保険適用となったRECELL®とMEEKTMシステムを併用した治療を試みたため, 有効性や注意点などを報告する. 症例は47歳, 男性. アルミ炉の炎が作業服に着火して受傷した. 両上肢・両下肢・背部の70%TBSAを認めた. 植皮の感染脱落を生じた左上肢に対して (4%TBSA) , 受傷81日目にMEEKTMシステムとRECELL®の併用による手術を行ったところ, すみやかな上皮化が得られた. 今回われわれが行ったMEEKTMシステムとRECELL®の併用では, 過去のMEEKTMシステム単独の報告と比較してさらに上皮化までの期間を短縮できる可能性がある. MEEKTMシステムはメッシュ植皮にくらべ上皮化が早いとされているものの, 一定の期間を要する. また拡張率を上げるほど, その期間は延長する. RECELL®を併用することでその上皮化までの期間を短縮できる可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本熱傷学会
前の記事 次の記事
feedback
Top