2026 年 52 巻 1 号 p. 30-35
広範囲熱傷では, 熱傷深達度と部位の形状に応じて治療デバイスを使い分けることが重要である. 自家細胞採取・非培養細胞懸濁液作製キット (以下RECELL®) 単独, 自家植皮とRECELL®の併用, 自家植皮と陰圧閉鎖療法 (以下NPWT) の併用という3つの戦略を使い分けた1例を報告する. 症例は78歳の女性, 蠟燭から着衣に引火し, 頸部から体幹, 上肢にかけて16%TBSAのⅡ度熱傷, 18%TBSAのⅢ度熱傷を受傷した. 第2病日にデブリードマンと人工真皮の貼付, 第18病日に初回の再建術を実施した. Ⅱ度熱傷部位はRECELL®単独で, Ⅲ度熱傷部位のうち術中・術後の体位変換による汚染や植皮脱落のリスクが高い部位は自家植皮単独での再建とNPWTによる固定を, その他の部位は自家植皮とRECELL®を併用した. いずれも生着は良好で, 第48病日に残存部位に対する植皮術を実施後, 第60病日に慢性期病院に転院した.