熱傷
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看護
熱傷患者に対する看護師の退院支援に関する実態
石井 優子村中 沙織牧野 夏子奥山 亜由子
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2026 年 52 巻 1 号 p. 36-45

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抄録

 本研究の目的は, 熱傷患者に対する看護師の退院支援に関する実態を明らかにすることである. 2023年1月~4月, 日本熱傷学会熱傷専門医認定研修施設104施設に勤務する病棟看護師520名を対象に, 個人属性, 退院支援に関する研修受講状況や経験に関する項目, 熱傷患者の退院支援の実際, 熱傷患者の退院支援の困難, について先行文献等を基に独自に作成したWeb調査を実施した. 分析は, 量的項目は記述統計値を算出し, 自由記述は質的記述的分析を行った.
 99名より回答 (回収率19.0%) を得た. 対象者の背景は, 女性82名 (82.8%), 平均年齢38歳, 看護師経験平均年数は12.2±7.6年, 熱傷患者に対する看護経験平均年数は6.1±3.7年であった. 熱傷患者の退院支援について, 75.8%が興味・関心があると回答したが, 退院支援に関する院内研修の参加を積極的に希望する者は半数に満たなかった. さらに退院後の在宅訪問や退院前訪問の経験は3%程度であった. 退院支援の実施方法は, 口頭説明が72.7%と最も多く, 支援内容が標準化されていない現状が明らかとなった. 退院支援内容は創処置が87.9%と最も多く, ついで薬剤の使用や日常生活動作に関する内容であり, 日常的に必要とされるものであった. 熱傷患者の退院支援の困難は, 整容面のケアが65.7%と最も多く, その他, 社会復帰や経済支援など, 在宅移行後に生じる問題であった. 熱傷患者に対する看護師の退院支援に関する実態として, 在宅生活移行後に生じる問題への支援の充実, 必要資源との連携が課題であり, 熱傷患者の個別性を考慮したニーズに沿った退院支援を検討する必要性が示された.

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