脈管学
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総説
細胞膜機能からみた高血圧の血管内皮障害とAdipokine による調節機構–電子スピン共鳴(ESR)法による検討–
津田 和志
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2014 年 54 巻 8 号 p. 123-127

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抄録

要旨:本研究では高血圧の細胞膜機能と内皮障害との関連について,膜機能におけるnitric oxide(NO)の役割とその調節機構,および治療による影響を中心に述べる。電子スピン共鳴(electron spin resonance; ESR)法にて測定した高血圧患者の赤血球膜流動性(fluidity)は正常血圧群に比し有意に低下している。そして血漿NO 代謝産物濃度が低値であるほど, また内因性NO 合成酵素阻害物質(asymmetric dimethylarginine; ADMA)濃度が高値であるほど膜fluidity の減少が大きい。さらにadipokine であるレプチンやアディポネクチンの血中濃度と血漿NO 代謝産物レベルとは有意な相関を示し,これらの増加は膜fluidity の上昇を伴っている。一方,外因性のNO donor やレプチン,およびエストロゲンや一部のCa channel blocker は高血圧患者の赤血球膜fluidity を有意に改善し,同時に血漿NO 代謝産物レベルを上昇させる。以上から,NO は細胞膜機能に重要な役割を果たし,adipokine やエストロゲンによる内分泌因子調節機構や一部の降圧療法が,高血圧の微小循環ならびに血管内皮障害の改善に深く関与する可能性が示唆される。

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