2017 年 57 巻 10 号 p. 139-144
欧米諸国と比べると,わが国の重症下肢虚血(critical limb ischemia, CLI)患者は糖尿病・維持透析の頻度が高い。糖尿病・維持透析は血管病変の局在・石灰化と関連しており,血管内治療・バイパス術のいずれにおいても治療成績を押し下げるリスク要因となる。また糖尿病合併・維持透析患者では潜在的重症下肢虚血(subclinical CLI)からの移行症例が多い。わが国のCLIの管理戦略を論じる際はこうした特徴に留意する必要がある。