Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
ISSN-L : 1345-8647
膜分離活性汚泥法における長期的膜差圧予測モデルの構築
成 敬模金子 弘昌船津 公人
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2012 年 13 巻 p. 10-19

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抄録

Membrane bioreactor (MBR) は工場排水や生活下水などの汚水を微生物で分解し、その後処理水と微生物を膜で分離する装置のことである。短時間かつ省スペースでの水処理が可能であるため、ビルや工場などにMBRを分散設置して無人運転を行うことは水不足問題の解決策として注目されている。しかし、膜に微生物や固形物などが堆積することでファウリングが発生し、膜差圧の上昇および運転コストの上昇は大きな課題となっており、膜差圧が一定水準に到達すると膜を薬品で洗浄し膜に付着した堆積物を除去しなければならない。そこで本研究では膜洗浄時期の推定のために1週間以上の長期にわたり、精度良く膜差圧を予測することを試みた。水質以外の変数から膜抵抗(resistance, R)を予測するモデルと水質関連変数からファウラントの堆積しやすさ(deposition rate, DR)を予測するモデルを構築し、それぞれのモデルから長期膜差圧予測を行う手法を提案した。モデル構築手法として線形手法であるpartial least squares (PLS)法と非線形手法であるsupport vector regression (SVR)法を使用した。Rを予測するモデルでは、PLS法とSVR法を用いた場合の両方とも高い予測性能を示したが、DRを予測するモデルでは、PLS法よりSVR法を用いた場合の方が予測性能は高かった。その後長期的に膜差圧を予測したが、Rを予測するモデルよりDRを予測するモデルを用いた方が精度良く予測できることが確認された。提案手法を活用することで、MBRの分散設置や無人運転化の拡大が期待される。

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© 2012 日本化学会
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