Journal of Computer Aided Chemistry
Online ISSN : 1345-8647
ISSN-L : 1345-8647
カスケードモデルによる構造活性相関の発見
- ニトロ芳香族化合物の変異原性 -
岡田 孝
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2001 年 2 巻 p. 79-86

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抄録

カスケードモデルは、相関ルール探索におけるアプリオリアルゴリズムと同じく、ラティスの構築に基づく帰納的なルール導出法である。属性値と値の対をアイテムとして表現した上で、ラティス中のすべてのノードはアイテムセットとそれらを支持する事例群で特徴づけられる。もし、クラス属性値の分布がラティス中の特定のリンクに沿って急激な変化を示すならば、そのリンクを"IF item-along-link added on itemset-on-upper-node, THEN class-i"という形式のルールとして示す。ここで各ルールの強度をBSS値で示すことができる。構造活性相関関係の発見においては、まず化合物群の構造式から"NH-C-C-C-OH"のような多数の線形部分構造パターンを抽出する。これらの部分構造パターンが化合物中に存在するか否かを[pattern: y or n]のようなアイテム群で表現して、カスケードモデルを適用することにより、構造と活性間の相関関係を表すルールが得られる。このようにして得られたルールとそれを支持する化合物群の構造を視察することにより、ニトロ芳香族化合物群におけるニトロ基の共平面性の重要性など、多数の有効な知識を見出すことができた。

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© 2001 日本化学会
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