日本補完代替医療学会誌
Online ISSN : 1348-7930
Print ISSN : 1348-7922
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原著
Visual Display Terminal 作業に伴う調節機能低下に対するクロセチン摂取の影響 ―ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験―
海貝 尚史 齋藤 信裕山下 慎一郎鈴木 直子山田 高広
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2017 年 14 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

目の疲れを自覚する健康な成人男女を対象に,Visual Display Terminal(VDT)作業負荷によって生じる眼の調節機能低下に対するクロセチンの効果を検証した.試験は,ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験を実施した.試験食品の摂取前後にVDT作業負荷をかけ,その負荷の前後および安静休息後における瞳孔反応を測定し,縮瞳率を算出した.VDT作業負荷前後および安静前後における縮瞳率の変化量を解析した結果,クロセチン摂取後に安静前後の変化量がプラセボ群より有意に上昇した.また,visual analogue scaleを用いた自覚アンケートにおいて,クロセチン摂取後に目の疲労感が低減した.シルマーテストでは,クロセチン摂取後に涙液分泌量が減少した.これらの結果より,クロセチンの4週間継続摂取は,VDT作業負荷による調節機能の低下を緩和し,目の疲れを和らげることが示唆された.涙液分泌への影響については更なる検討が求められる.

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