ハトムギの外殻・薄皮・渋皮を含む全粒熱水抽出エキス(Coix-seed Reactive Derivatives;CRD)は,in vitroの皮膚細胞実験により,抗炎症作用と抗紫外線B波(抗UVB)作用を有することが報告されているが,ヒトにおける作用の詳細については未だ不明な点が多い.今回,CRDの経口摂取によって光老化皮膚が改善した1例を経験したので報告した.患者は,58歳男性.10年前までゴルフで手袋を着用していない右手背に日光を曝していたため,右母指に深いしわができ,手背全体にも色素沈着を認めていた.CRD含有食品(CRD 4.2 g/日)を6ヶ月間摂取し続けたところ,右手の光老化皮膚は顕著に改善した.また,顔面の色素沈着や頚部のしわも改善した.今後は,さらに症例数を増やしCRDの光老化皮膚への効果を検討する予定である.