2005 年 2 巻 2 号 p. 127-133
有用微生物およびその代謝産物はプロバイオティクスとして,健康増進作用があると考えられている.今回,納豆菌から選択し得られた Bacillus subtilis AK 株の代謝産物である Extract of Metabolic Products of Bacillus subtilis AK (EMBSAK) の経口摂取が,NK 細胞活性に及ぼす影響を解析した.その結果ラットでは飲用群のうち 50%に NK 細胞活性の増強が認められた.ヒトボランティアを用いたEMBSAKの合成商品である SARABAGAN の 7 日間の飲用試験では,濃度依存的に末梢血中の NK 細胞活性が増強する被験者の数の増加が認められた.今回の研究により,反応性には個人差があるものの,SARABAGAN の経口摂取により NK 細胞活性を増強しうることが明らかとなり,SARABAGAN が補完代替医療として有用である可能性が示唆された.