日本補完代替医療学会誌
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総説
食品成分によるがん予防:共役リノレン酸含有植物種子油による大腸発がん抑制
田中 卓二鈴木 里加子
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2005 年 2 巻 2 号 p. 91-100

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抄録
食品成分によるがん予防は,その容易な利用法からがん抑制の対策の 1 つとして期待されている.私たちは,共役リノレン酸 (CLN) を豊富に含むニガウリやザクロの種子油に着目し,その大腸発がん抑制効果について検討してきた.まず,ニガウリ種子油 (BMO) の azoxymethane (AOM) 誘発ラット大腸前がん病変抑制作用を明らかにし,次いで BMO ならびにザクロ種子油 (PGO) による AOM 誘発ラット大腸発がん抑制効果について検討した.その結果,BMO, PGO の混餌投与により大腸腺がんの発生率や発生個数が AOM 投与群に比べ低下した.その抑制機構として,BMO, PGO 投与により変化した大腸・肝の脂質組成や発現が増大した大腸の PPAR γ が関与していると考えられた.これらの結果から,ニガウリやザクロの種子油中に豊富に含有される CLN の発がん抑制作用,特に大腸における発がん抑制が期待される.
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© 2005 日本補完代替医療学会
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