ヒトは石器時代から狩猟などで身体を動かし,倹約遺伝子がプラスに作用していた.しかし,飽食と運動不足の現代ではマイナス要因で,生活習慣病が増加し,運動が必要となる.運動療法の有用性はエビデンスレベル A, B, C で明記され,身体活動量と健康上メリットとは比例する.持続的運動でインスリン抵抗性が改善して内臓脂肪が減少し,筋肉量が少ない高齢者では軽度のレジスタンス運動も併用する.米国心臓学会の運動指針(2007)では,健康維持の運動は日常生活の単なる動作とは別で,強度を上げた運動が必要とした.厚生労働省の「健康づくりのための運動指針 2006」では,身体活動を運動と生活活動に大別し,23 エクササイズ/週を推奨.呼吸リハビリテーションの運動処方では frequency, intensity, time, type (FITT) や目標呼吸困難スコアを活用できる.心臓リハビリテーションは,米国医療政策研究局 (AHCPR) や本邦の合同研究班による指針が有用である.