日本補完代替医療学会誌
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原著
クマザサ熱水抽出物によるヒトサイトメガロウイルスの抑制効果の解析
山田 理恵阿久澤 和彦畢 長暁李 専定成 秀貴松原 京子村山 次哉
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2009 年 6 巻 1 号 p. 17-25

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抄録

ヒトサイトメガロウイルス (human cytomegalovirus: HCMV) の治療薬として,現在ガンシクロビル (GCV) とホスカルネット (PFA) が使用されているが,易感染性宿主の HCMV 感染症には,抗 HCMV 薬の長期投与が必要なため,薬物耐性 HCMV の出現が問題となっており,作用機序の異なる新たな治療薬の開発が求められている.
現在我々は,代替医療薬を中心に抗 HCMV 薬の探索を行っている.今回は,防腐作用や殺菌作用などがあることが知られているクマザサを用い,その抽出物に,抗 HCMV 効果があるか否かについて検討した.クマザサ抽出液をウイルス感染細胞に添加したところ,濃度依存的にウイルスの細胞変性効果が抑制され,ウイルス粒子産生にも抑制がみられた.また,リアルタイム RT-PCR 法および,ウエスタンブロット法による解析の結果,クマザサ抽出液によりウイルスの複製,増殖に重要な Major immediate early (IE) 遺伝子の発現に抑制がみられたことから,クマザサ抽出液は GCV とは異なる作用機序により抗 HCMV 効果をもつ可能性が示された.

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© 2009 日本補完代替医療学会
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