日本補完代替医療学会誌
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原著
ハーブティー療法を施行したメニエール病患者の QOL について
北島 尚治北島 明美渡邊 雄介
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2012 年 9 巻 1 号 p. 9-17

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抄録

メニエール病はめまい・難聴・耳鳴りを伴う内耳疾患であり,その病態は内リンパ水腫と推測され,ストレスや不安が発作のトリガーとなる可能性も報告されている.これまでに,われわれはメニエール病緩解期における治療法としてハーブティー療法 (Herbal Tea Therapy; HTT) を試行してきた.HTT は「利尿効果」「抗めまい・耳鳴効果」「抗ストレス・リラックス効果」の効用を持つハーブをブレンドし服用するもので,他の治療と比べると効果は緩やかであるが症状悪化をある程度軽減すると報告した.この度は SF36 (MOS Short-Form 36-Item Health Survey) を用いて,HTT を施行したメニエール病患者の QOL 変化を確認した.対象はメニエール病 26 例(HTT 群 16 例,非 HTT 群 10 例)である.HTT 群は非 HTT 群と比較し緩解期における症状悪化は少なかった.SF36 の結果は両群に統計的有意差は認めないが,HTT 群は非 HTT 群に比べ精神的 QOL が高く,精神的ストレスを軽減し発作のトリガーを抑えることで症状を安定させる可能性を考えた.

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© 2012 日本補完代替医療学会
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