Journal of Computer Chemistry, Japan
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ノート
H2の解離ポテンシャル - RHF, UHF, MP2, MP3 そして MP4SDTQ -
Amih SAGAN長嶋 雲兵
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キーワード: H2, Potential surface, HF, MP2, MP4.
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2011 年 10 巻 1 号 p. 44-47

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抄録

初心者向けの教科書にはRHF法が正しくH2分子の解離ポテンシャル(H2 → H + H)を再現できず、さらに電子相関を取り入れた摂動計算であるRMP2法などもおかしな挙動を示す事が紹介されているが、どのような取り扱いをすれば正しい解離ポテンシャルを得られるかが示されていない. 本ノートではUHF法を正しく用いればH2分子の解離ポテンシャルを再現できる事を示し、あわせて正しいUHF法の解を0次とした摂動計算であるUMP2法, UMP3法, UMP4法を用いると電子相関を取り入れたH2分子の解離ポテンシャルを得ることができることを示す. RHF法とUHF法の解離ポテンシャルの違いは、平衡点近傍と核間距離が短いところで小さく、核間距離が1.2Åより大きくなると急激に大きくなることが判った.また核間距離が1.2Åより大きい領域では急激に電子相関は減少し、核間距離が2.5Å以上では、電子相関がほぼ0になってしまうことが判った.

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© 2011 日本コンピュータ化学会
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