2014 年 13 巻 4 号 p. 199-209
茨城県西南部,千葉県北西部,埼玉県西部の放射性物質の2012年4月から2013年3月までの一年間の環境動態を調べた.ガンマ線空間線量率の時系列変化をフーリエ変換してNyquist周波数48.2時間を境界として低周波,高周波成分とに分けた.低周波成分では,つくばみらい,石岡,牛久,土浦市,境町で7~8月に放射性物質の流入を示す線量率増加があった.高周波成分の中では24時間周期の現象がフーリエ・スペクトル中に特徴的に見出された場所があった.その現象を詳しく調べるため,毎日の4, 12, 20時の空間線量値の時系列変化を一年間にわたって調べた.12時の空間線量値は各地点特有の変化を示した.低周波,高周波成分の両方で放射性物質の移動が確認された.