Journal of Computer Chemistry, Japan
Online ISSN : 1347-3824
Print ISSN : 1347-1767
ISSN-L : 1347-1767
研究論文
フラーレン–フタロシアニン分子間におけるキャリヤ発生に関する理論的検討
本田 真彬成島 和男
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 13 巻 4 号 p. 210-222

詳細
抄録

近年,有機半導体の光電変換特性は大きく向上しているものの,未だ無機半導体の持つ特性には劣っているままである.有機半導体の性能が向上した理由として,バルクヘテロ接合が生み出されたことが挙げられる.しかし,この構造の導電メカニズムは複雑であり,現在のところ詳しく解明されていない.そこで我々は,Hartree- Fock法等を用いて,p 型有機半導体であるフタロシアニン類とn 型有機半導体であるフラーレンを近づけた際の電子の移動,電荷密度の変化について調べ,キャリヤ密度の推定を行った.その結果,各分子でキャリヤが発生している可能性を見出した.

著者関連情報
© 2014 日本コンピュータ化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top