2003 年 2 巻 4 号 p. 143-148
タンパク質の立体構造を予測し設計するためには,計算化学的な手法とバイオインフォマティクス的な手法を効果的に組み合わせて利用することが重要である。本研究では,各種計算化学プログラムのインターフェースとして開発してきた分子モデリングプログラムMOLDAを,構造バイオインフォマティクスによる生体分子の研究に対応できるように改良した。このMOLDA for Protein Modelingの機能として次のものがある。(1) Protein Data Bank形式ファイルの読込みが強化された。 (2) シーケンス情報を入力することによりポリペプチド鎖の三次元構造を生成することができる。(3) 指定した二面体角をもつポリペプチド鎖の三次構造を生成することができる。(4) 指定したアミノ酸残基に対してポイントミューテーションを行うことができる。以上のような機能が追加されたことにより,MOLDAは今後,計算化学に基づいた創薬を行うための有用なプログラムとなることが期待される。