主催: 電気関係学会九州支部連合会
本研究ではヒト脳内嗅覚情報処理メカニズムの解明に関する基礎研究として,4種類(バラ臭,カラメル臭,桃臭および腐敗臭)の嗅覚刺激時の脳波を記録し,フラクタル次元で定量化することにより,嗅覚認知時の脳内情報処理の複雑さを検討した。刺激前後でフラクタル次元を検討したところ,バラ臭,カラメル臭,桃臭では有意な差が認められなかったのに対し,腐敗臭では刺激後に有意な次元の減少を認めた(p <0.01)。これより,腐敗臭のような不快な匂いに対して,脳が素早く情報処理を行っていることが示唆された。